公共用トランシーバ

2008.5.25更新

 

 市民ラジオによく似た無線機に公共用トランシーバという無線機があります。正式には、A3(A3E)電波26MHz帯の周波数を使用する陸上移動局又は携帯局の用に供する無線設備というようです。その技術基準は、昭和50年1月1日施行の改正無線機器型式検定規則にあり、それは以下のとおりです。若干の改正を経てこれらの規定は平成12年1月1日に削除されました。

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A3電波26MHz帯の周波数を使用する陸上移動局又は携帯局の用に供する無線設備の機器

1 A3電波26.1MHzから26.755MHzまでを使用するものであり、かつ、空中線電力が1W以下のものであること。
2 通信方式は、単信方式のものであること。
3 発振方法(受信装置の局部発振の方式を含む。)は、水晶発振方式のものであること。
4 受信方式は、スーパーへテロダイン方式のものであること。
5 空中線は、ホイツプ型又は線条のものであり、かつ、その長さが2mを超えないものであること。
6 給電線及び接地装置を有しないものであること。
7 一の筐体に収められたものであること。ただし、電源設備(電源開閉器については,送信と受信の電源を同時に開閉するものに限る。)並びに送受信の切換装置を有しない送話器及び受話器については、この限りでない。
8  筐体の外部に付加できる装置は、電源設備、空中線、送話器及び受話器に限られ、外部から操作する装置は、周波数の切換器、送受信の切換器、電源開閉器、音量調整器及びスケルチ調整器に限られるものであること。
9  筐体には、電源の取替えに必要な部分を除き、製造者による封かんが施されていること。

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 公共用トランシーバは、昭和50年以降、型式検定の対象となっています。型式検定に合格した機器が9件ありそれは以下のとおりです。 型式検定に合格した市民ラジオの無線設備の機器には、RJ-38、ZS-7631A、RJ-380、SH702Jがありますが、これらに大変似た名称の機器があります。

合格者 機器の名称 機器の型式名 検定番号 検定合格の年月日
松下電器産業株式会社 RJ-38P型ナシヨナル公共用トランシーバ GS1MD26.1/26.755-0.5A3-3-1 G75001 昭和50.9.12
東京芝浦電気株式会社 携帯無線電話機ZS-7631B GS1TS26.1/26.755-0.5A3-3-1 G75002 昭和50.9.12
国際電気株式会社 XA5011MK2形26.1/26.755MHzAM無線電話装置 GS2KS26.1/26.755-0.5A3-2-1 G76001 昭和51.3.24
国際電気株式会社 XA5011MK3形26.1/26.755MHzAM無線電話装置 GS2KS26.1/26.755-0.5A3-2-2 G76002 昭和51.3.24
松下電器産業株式会社 RJ-380P型ナシヨナル公共用トランシーバ GS1MD26.1/26.755-1A3-3-1 G80001 昭和55.7.17
国際電気株式会社 XA5112A形26.1/26.755MHzAM無線電話装置 GS2KS26.1/26.755-0.5A3-3-1 G81001 昭和56.5.30
国際電気株式会社 XA5112B形26.1/26.755MHzAM無線電話装置 GS1KS26.1/26.755-0.5A3-3-1 G81002 昭和56.6.11
信和通信機株式会社 SH702JR型公共用トランシーバ GS1SW26.1/26.755-1A3E3-1 G88001 昭和63.4.2
信和通信機株式会社 SH702P型公共用トランシーバ GS1SW26.1/26.755-1A3E3-2 G90001 平成2.3.30


 また、官報に掲載された特定無線設備技術基準適合証明公告には、おそらく公共用トランシーバを改造して市民ラジオの無線設備として技術基準適合証明を受けた と思われる無線設備が掲載されていました。
 

証明を受けた者 (個人名)
設備の名称 RJ-38P
証明番号 A0052565
証明年月日 平1.8.21


 

 

 

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